レゾン・デートル
人間が人で在る為には、夢や希望を抱かなければいい。
箱庭の中での微弱な世界で、幸せを感じていられるから。
甘美な理想が何を創った?
「挫折と絶望、そして人を憎む心。」
闇に怯えず生きていくには、眩しい愛を求めなければいい。
自分の無力さに気付いた時に、絶対の孤独を知るのだから。
壊れた自分に何が残った?
「猜疑と葛藤、そして見えない真実。」
仮り初めの安らぎさえ手に入れる事ができない・・・。
憂いの中で生きるオレの心には、
人としての幸せや喜びさえも無い。
何故生きている?何を求めている?
存在理由さえ判らないのに。
人が人間で在る限りは、自分を深く知らない方がいい。
この場所に佇む無情な虚無を、運命と諦められるから。
抗う理性が何を諭した?
「矛盾と相克、そして僅かな自己否定。」
完全な調和よりも生きている意味が知りたい・・・。
いつかはきっと判る、そう信じていた。
それが残酷すぎる答えだとも知らずに。
何故今まで気付かなかったのだろう?
存在理由さえ壊れていた事に。